建設業界で働く多くの方が、会社から技術士取得を求められていることでしょう。
建設コンサルタントやゼネコンなどは特に重要な資格ですよね。
近年は入社数年で取得する方も多い技術士ですが、果たしていつまでに取得するのがよいのでしょうか?
また、若手技術者が技術士に合格するためにはどんな勉強方法で、何時間勉強しないといけないのでしょうか?
実際に入社後数年目で技術士を受験した私の体験談を踏まえてお話していきます。
若くして技術士を取得するメリット
入社後数年という若手技術者が技術士資格を取得するメリットはいくつかあります。
まず、会社が工事を受注する時に、技術士の人数が多いほど受注しやすくなります。
会社としては、若手でも技術士ならそれだけで欲しい人材です。
その意味で転職活動でも有利になります。
次に、名刺に「技術士」の肩書を記載することができます。
顧客や外注業者、下請け会社との打ち合わせにおいて、若手だからと下に見られることなく、対等に議論することができるでしょう。
名刺に書いてあるのがコンクリート技士や一級施工管理技士だとほぼ全ての人が取得している資格なので、あまり効果がありませんし、わざわざ書くことがむしろ小さく見えてしまうものです。
その点技術士資格は、管理職レベルでも持っている人が多くはないので非常に有効です。
取得した社員の個人的なメリットとしては、技術士会への入会することで高度な技術情報を得られることです。
これは私は実際にどんな情報が得られるのかはわかりませんが、そういうコミュニティに参加できるというだけでも大いに成長の場となり得るはずです。
あとは、受験勉強自体が技術力を向上させてくれることです。
私も技術士勉強を通じて、インフラ整備の目的意識や俯瞰した考え方を再認識し、日々の業務に追われるだけでなく、その先を意識して全体を見て動かすことができるようになりました。
主任や工事長の立場で動くという感覚でしょうか、一つ上の立場で動けるようになりました。
その他、業務とは少し離れたところを学ぶというのは社会を広く捉えられるので単純に生活自体も考えるいい機会になると思います。
若くして技術士に合格するのは難しい!
技術士の受験資格に、実務経験年数があります。
そのため、若手の資格取得を良しとしていないのではないかと感じてしまいますよね?
その通り、実務経験年数は、試験のためだけの勉強で合格してしまうのを防止する目的があると考えられます。
同様に、一級土木施工管理技士も実務経験の要件がありますね。
一級建築士は実務経験を後付け可能(試験合格後に実務経験を積めば資格取得できる)にしたことで、若手の合格率が急増して少し問題になっていますね。
一方で、経験年数による足切りが受験資格の段階で実施されており、所要の実務経験年数を経た後であれば、若手であろうと熟年であろうと平等に機会があるともいえます。
つまり、若手でも大きな不利なく合格を目指せると私は考えています。
若手だからこその不利な点
若手でも十分に合格が狙えると言いましたが、もちろん若手だからこそ不利な点もあります。
まず、業務経歴書の審査が厳しくなります。
実際業務経歴によって落ちることはありませんが、筆記試験を合格した後の口頭試験の時に、経験年数が浅いことについて言及されます。
「もっと技術力を身につけてから受験しようと思わなかったの?」とかちょっと嫌なことも言われます。
ですが、もちろんそのような質問をされるからといって不合格が決まってるということではなくて、それにもちゃんと真摯に解答して合格された方もいらっしゃいます。
若手でも合格できる勉強法
若手技術者が技術士合格を勝ち取るために必要なことは何なのでしょうか?
私が筆記試験に合格した経験からお話しすると、さほど差は無い気がしています。
口頭試験では経験年数について聞かれることがありますが、筆記試験についていうと年齢や経験年数による差は無いはずです。
なぜなら、筆記試験は得点となるキーワードをいくつ盛り込んだ文章を書いたかに基づく加点方式であり、経験年数に対する評価が介入しないためです。
むしろ責任の小さい立場で余裕のあるうちに筆記試験の勉強時間を確保できるという観点では有利だと思います。
ちなみに若手の技術士取得の障壁となる業務経歴書ですが、こちらも対策すれば問題ありません。
すでに別の記事にて紹介していますが、業務経歴を現場ごとではなく業務ごとに分類することで5行ある教務経歴欄を全て埋めること。
業務詳細欄では、自身の立場や役割を明確にした上で、技術士に求められるコンピテンシーと技術者倫理の観点から説明がしやすいものを書くこと。
そして何よりも上司や添削業者に何度も添削してもらうことが重要です。
改めてですが、受験資格がある時点で経験年数で落とされることはないと自信を持ちましょう。
経験年数の浅さから技術力に疑問を持たれないよう、熟年技術者に見劣りしないだけの技術力とそれをアピールする能力がさらに必要となることだけは覚えておいてください。
私の勉強方法を別記事にて紹介していますので、そちらも参考にしてみてください。
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