【技術士】必須科目Ⅰの出題傾向【合格者が語る】

技術士試験

前回までの記事で、技術士筆記試験において、解答文章の作成がいかに重要かお伝えしてきました。

色々ポイントは紹介してきましたが、じゃあ具体的にどう勉強すればいいの?ってところを早く知りたい方が多いと思います。

技術士試験は申込から受験までが短く、早さ第一ですからね。

そんな皆さまお待ちかね!今回は、具体的な解答文章作成をしていきたいと思います。

今回は必須科目Ⅰの解答文章を1つ作成していきます

また次回以降2つめや、選択科目ⅡやⅢの解答も作成していきますね。

試験科目ごとの違い

技術士二次試験を初めて受ける方のために、「必須科目Ⅰ」「選択科目Ⅱ」「選択科目Ⅲ」の違いから整理していきます。

まず大きな括りとして、必須科目と選択科目があります。

技術士試験では、部門と科目を選択しなければいけません。

当ブログで発信しているのは、「建設部門」です。

土木業界で働く方が技術士を受ける場合は建設部門になります。

でも建設部門の中にも科目があって、どの科目を選択するかは人それぞれです。

選択科目の種類は以下のとおりです。

・土質及び基礎

・鋼構造及びコンクリート

・都市及び地方計画

・河川、砂防及び海岸・海洋

・港湾及び空港

・電力土木

・道路

・鉄道

・トンネル

・施工計画、施工設備及び積算

例えば10年間トンネル現場の経験を積んだ方は「トンネル」を選択するという感じです。

なぜそのように自身の専門となる科目を選択するのかというと、そのほうが合格しやすいからです。

必須科目Ⅰはどの科目を選択したとしても、建設部門全体で同じ内容なのですが、選択科目Ⅱ、Ⅲは科目ごとに内容が違います。

トンネルの経験しかないのに河川や都市計画の問題が出題されてしまうと困りますよね?

まあ今回解説するのはどの選択科目でも共通なので、理解もそこそこに進んで頂ければ大丈夫です。

次回以降は選択科目Ⅱ、選択科目Ⅲの内容に入っていくので、自分がどの科目を選択するか考えながら見てみてください。

それでは必須科目Ⅰを勉強していきましょう。

必須科目Ⅰの解答文章を作成していこう

必須科目Ⅰと呼んでいますが、必須科目2や必須科目3はありません。

その代わりに選択科目の方に2と3があります。

必須科目と選択科目を合わせて1〜3の番号を振っている感じですね。

必須科目Ⅰの問題形式としては、まず以下のような文章にてテーマが出題されます。

●我が国の社会資本の多くは高度経済成長期に整備され、今後建設から50年以上経過する施設の割合は加速度的に増加する。このような状況を踏まえ、2013(平成25)年に「社会資本の維持管理・更新に関する当面講ずべき措置」が国土交通省から示され、同年が「社会資本メンテナンス年」と位置づけられた。これ以降これまでの10年間に安心・安全のための社会資本の適正な管理に関する様々な取組が行われ、施設の現況把握や予防保全の重要性が明らかになるなどの成果が得られている。しかし、現状は直ちに措置が必要な施設や事後保全段階の施設が多数存在するものの、人員や予算の不足をはじめとした様々な背景から修繕に着手できていないものがあるなど、予防保全の観点も踏まえた社会資本の管理は未だ道半ばの状態にある。

長い文章ですが、要するに「社会資本メンテナンス」というテーマを提示しているだけです。

ここで与えられたテーマについて4つの問題が出題されます。

(1.)技術者としての立場で多面的な観点から3つ課題を抽出し、それぞれの観点を明記したうえで、課題の内容を示せ。

(2) 前問(1)で抽出した課題のうち、最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。

(3) 前間(2)で示したすべての解決策を実行しても新たに生じうるリスクとそれへの対策について、専門技術を踏まえた考えを示せ。

(4)前問(1)~(3)を業務として遂行するに当たり、技術者としての倫理、社会の持続性の観点から必要となる要件・留意点を述べよ。

ちなみに必須科目Ⅰの中には、必須科目Ⅰ-1と必須科目Ⅰ-2があります。

どちらも上記と同じ問題形式でテーマだけが違うものです。

それら2つ出題されるうち、片方を選んで解答する方式です。

片方が全く理解できなくてももう片方のテーマが理解できれば解答できるので、比較的優しい問題形式になっています。

この過去問をもとに勉強する際、どのように勉強すれば良いでしょうか?

勉強の前に知っておいて頂きたいのは、過去問による勉強のメリットです。

私の考え方的には、過去問による勉強のメリットは4つです。

・必要な範囲だけ勉強できる

・傾向がわかる

・無料でできる

・自分のペースで勉強できる

過去問を勉強するにあたって最初にやることは、問題文の形式、傾向を見ることです。

これこそ過去問で勉強する最大のメリットです。

私の場合は何年分もの過去問を見てようやく傾向を把握しましたが、その成果はこの記事に書くので、皆さんはここだけ読めば大丈夫です。

過去問からわかる出題傾向

傾向の1つめは、出題文章ですね。

問題(1)〜(4)の問題文は毎年全く変化していませんので、この問題文は確定として勉強してください

課題を3つ出して、そのうち一つに対して解決策を複数出す、解決策実施後のリスクと対策、技術者としての必要要件を書く、という流れです。

傾向の2つめは、テーマです。

出題されるテーマもおよそ決まっています。

これまでの過去問に出題されたテーマを以下に一覧でまとめましたが、これについてだけ勉強しておけばOKです。

万が一新しいテーマが出題されたとしても、必須科目の問題は2つあって、そのうち1つを選んで回答する方式であることから、もう一方の問題を回答すれば済みます。

つまり、新しい出題を予想して無駄に勉強するよりも、過去問のテーマを網羅する方が効果的ですし合格しやすいです。

出題されやすいテーマ:激甚化する風水害、インフラメンテナンス、週休2日、生産性向上、カーボンニュートラル、労働災害、デジタル化、社会資本整備、海外の社会資本整備

長くなってしまったので、続きは次回にしたいと思います。

最後までお読み頂きありがとうございます。

次回もぜひチェックしてみてください。

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