【技術士筆記試験対策】解決策の書き方

技術士試験

前回に引き続き、今回も必須科目Ⅰの解答文章作成方法を勉強していきましょう。

前回はインフラメンテナンスの高度化を対象として解決策を挙げていました。

前回は、「予防保全型のインフラメンテナンス」と「優先順位づけ」まで紹介していましたので、今回はその続きとしてあと3つ程度上げていきたいと思います。

解決策

地方公共団体の体制整備

多くのインフラは地方公共団体が管理しています。道路にも「県道」と名前がついていますよね。

ですが、地方自治体の技術力は、民間の建設会社と比べるとどうしても見劣りしてしまいます。

現場経験や職務内容の違いからこれは仕方のないことですし、あって当然、職員が悪いということではありません。

しかし、インフラメンテナンスにあたっては、地方自治体の職員が診断や定期検査を実施し、データベースを管理することになりますので、地方自治体職員の技術力改善が求められます

技術力向上については研修や講習が有効です。

一方で、市町村においては特に人材不足がクリティカルとなってインフラ維持管理業務が滞ってしまうおそれがあります。

そこで、市町村が行うべき構造物の診断や点検業務を都道府県が受委託する「地域一括発注」という方式があります。地域一括発注は技術士試験でのキーワードですので解答文章に入れ込んでおくと得点アップが狙えますよ。

デジタル化の推進

建設業界において「デジタル化」や「DX」といった言葉はキラーワードです。とりあえず書いておけば得点がもらえます笑

というのは冗談ですが、書かないと落ちるレベルで重要です。

しかし最も重要なのは、デジタル化をどう理解しているかです。

デジタル化の中にも多くの項目があり、それらの項目によってインフラメンテナンスを高度化できるというものを見つけていきます。

デジタル化に関して、技術士試験では3つのキーワードがあります。

施工の遠隔化、自律化、自動化です。

一つ目、施工の遠隔化は、5G通信の普及や災害現場でのロボットを用いた施工など、デジタル化による遠隔施工が進められています。ドローンを用いた測量なども遠隔施工の一例ですね。

二つ目、AIの普及により、人間による指示なしでの施工、すなわち自律施工が可能になりました。

三つ目、ICT建設機械は掘削目標ラインや掘削範囲を見える化し、オペレーターの作業を補助します。その一段階上に作業の自動化があります。ドローンであれば予め設定したルートに沿って測量を自動で行うことが可能です。そのように人が行なっている作業を機械が自動で実施するようにし、人材不足に対応するなどがメンテナンス業務を効率的に行う上で有効な解決策になります。

新技術の導入

デジタル化も新技術といえますが、その他の新技術によってもインフラメンテナンスの高度化が図れます。

例えば非破壊での損傷点検技術などが理解しやすいと思います。

また、新技術導入にあたっては新技術のシーズとニーズのマッチングが課題になっています。

「ニーズはあるのに、どんなシーズがあるのか分からなくて新技術の導入ができない」という困り事を持つ人がいるんです。

新技術情報のデータベース化と情報展開が求められます。

関係者間の調整

主に発注者と受注者間の情報のやり取りを円滑にすることで業務遂行を促進するという解決策です。

これはインフラメンテナンスのみならず、色んなテーマにおいて使える解決策です。

特にコロナ禍以降は、物理的な移動や作業による労力や時間のロスを低減することがポイントになっています。

最近増えている遠隔立会もその一つです。

テレビ会議システムをタブレットやウェアラブルカメラで利用することで、発注者が現場に来ることなく配筋検査などの立会検査を実施することができます。

発注者が現場まで来るための時間ロス、労力ロスを低減できます。

また、テレビ会議システムを使うと、録画機能により将来埋め戻し等で不可視となる箇所の記録も行えることからメリットは大きいです。

以上が解決策として考えられますが、他にもたくさん見つけることができますし、項目分けの仕方を変えるだけでも言いやすさが変わってくるので、自分が書きやすいものを書きやすい流れで考えるのがおすすめです。

他人の言葉だとどうしても試験当日に思い出せなかったりするものですので。

解決策を書くときのポイント

問1では課題を3つ挙げましたよね?

問2では解決策を挙げろといっていますが、その数は指定されていません。

では、いくつ挙げればいいのでしょうか?

私は、会社が契約している技術士セミナーに参加していたのですが、そこで聞いたところによると、5つ解決策を挙げれば満点が取れるとのことでした。

6つ以上挙げると文字数が多くなって他の問への解答が書けなくなってしまいますし、一問に配分されている点数には上限があるので、書きすぎても意味がないようです。

ただし、得点はキーワードによる加点方式なので、解決策が3つだけでもキーワードが十分に盛り込まれていれば満点は取れます。

逆に解決策を5つ挙げたとしてもキーワードが足りないと得点できないおそれがあるわけです。

技術士セミナーの講師いわく、最低でも3つは解決策を挙げておくのがベターとのことです。

私も実際に試験を受けた身として、少なくとも3つは書かないとキーワードが不十分だと感覚的に思いました。

また、3つは書かないと文字数が余りすぎて採点者の印象も悪くなりそうです。

まあ2〜3ヶ月も勉強すればスラスラと3つ書けるようになりますので安心してください。

それでは今回はここまでにしたいと思います。

必須科目Ⅰの問2、解決策を挙げるところまで完了しましたね。

次回は問3の解決策を実施した際に新たに生じるリスクとその対策を考えていきます。

コメント