技術士二次試験、筆記試験の解答文章を作成している当シリーズもついにラストスパートです。
今回は問4「業務遂行にあたり、技術者としての倫理、社会の持続性の観点から必要となる要件・留意点を述べよ」に対する解答文章を作成していきます。
技術士筆記試験に合格した私が実際に行っていた解答文章作成方法を紹介していきます。
技術者倫理とは
技術者倫理綱領というのがあります。
技術士倫理綱領は技術士会のHPから確認できますが、必要なポイントだけ確認すればOKです。
ちなみに技術者倫理綱領は前文と10項目を丸暗記しておかないといけないのですが、それは口頭試験の話。
筆記試験の段階では、これから話すポイントだけ抑えておけば私のように合格できる解答文章が書けます。
技術者倫理綱領で抑えるべきポイント
技術者倫理綱領には10項目ありますが、筆記試験で書きやすい項目は以下の3つです。
・安全・健康・福利の優先
・法令等の遵守
・持続可能な社会の実現
私も筆記試験ではこれら3つを書いて合格しました。
問1〜3の解答内容に関わらず、問4の解答は同じものを使用して大丈夫です。
なぜなら、業務遂行にあたって必要な技術者倫理は、何をするかに関わらず変わらないからです。
実際私は問4の解答文章は1つしか準備していなくて、どんな問題にも同じものを使い回すようにしていました。
公益の優先
一つ目の項目「安全・健康・福利の優先」は、「公益の優先」と言い換えることができます。
公益とは、公衆の安全と健康、福利のことだからです。
公益の優先は技術者倫理の中で最も重要であり、筆記試験でこれを書かないなんてことはありえません。
問4では最初に公益の確保について言及するようにしましょう。
実際に筆記試験を問1から問4まで通してみると分かるんですが、問4を書く頃には原稿用紙のスペースって全然余ってないんですよね。
問4を書くスペースは5〜7行くらいだと考えておいてください。
なので、「常に公益を最優先に考えて業務遂行にあたる」くらいの抽象的な書き方でOKです。
法令の遵守
法令の遵守は当たり前だけど当たり前をちゃんと分かっているとアピールすることが大事です。
法令と言っても色んなものがありますので、そこを記載すると見た目深いことが書かれているように見せることができます。
近年の海外における建設需要を考えると、国ごとに法令が違っているので、ちゃんと現地の法令をチェックして守ることが大切です。
もちろん国内でも県の指針や鉄道工事なら鉄道指針など、それぞれのルールに従う必要があります。
持続可能な社会の実現
もはや皆さんにも馴染み深い言葉ではないでしょうか?
環境配慮の観点で理解しておけばいいと思います。
私が考えるところだと、持続可能な社会のためにインフラ整備の業務遂行の中でできることはいくつかあります。
まず、材料の選定段階で、環境に優しい材料を使ったり、低炭素を意識するなどです。
技術選定のときにも環境影響の小さい新技術を採用するなども有効です。
材料や技術の選定後の段階においてできることとしては、部材の転用などが挙げられます。
施工時期をうまくずらしたり、鋼製型枠を使用して型枠を転用するなどですね。
私が使った解答文章では、材料の選定、技術の選定、部材の転用の3つをポイントにして書きました。
以上、技術者に求められる要件・留意点に対する解答文章の書き方を紹介しました。
これまで何記事にもわたって必須問題Ⅰの解答文章作成を行ってきましたが、これで全ての解説が終わりました。
最後に、全体の構成について少し書きたいと思います。
全体の構成どうした?
技術士の解答の書き方は人によって様々で、キーワードを押し出すように箇条書きっぽくまとめる人、小説のように全て文脈を繋げて書く人、複数解決策を挙げる場合などにそれぞれにタイトルをつけたり、段落をつける人、つけない人。
人それぞれ書きやすい構成で書けばいいと思いますが、参考として、合格できた私の書き方を紹介しておきたいと思います。
私は、解答にタイトルをつけて書いていました。
例えば、問4では「技術者倫理」「社会の持続可能性」の2つのタイトルに分けて書きました。
技術者倫理の方は、公益の確保と法令の遵守について一文程度で記載し、社会の持続可能性の方は環境対策について、材料や技術選定について1文で、転用について1文で書くようにしました。
そうすると、2つのタイトルそれぞれ2文ずつと、バランスが良くなります。
で、タイトルが1行、1文が1〜2行くらいとして、合計で6行。さらに問題文1行を合わせて7行になります。
私はこれを基本として準備していました。
その上で、実際試験の時に問1〜3の文章量が多くなってしまい行数が不足した場合には、タイトルと同じ行から改行せずに続けて2文を書いていくことで、5行に収まるようにしていました。
こうしておけば、試験本番でも問4のために残しておくスペースが5〜7行と幅を持たせることができて、かつ問1〜3との文章量の配分もちょうどよくなりました。
問4は最終問題のため、原稿用紙のスペース調整が重要となりますが、上記のような感じである程度の幅を持たせるような書き方をしておくのがおすすめです。
箇条書きで書いていると1項目について1行ずつ書かなければいけなくなりますし、改行せずに続けて文章を書いてしまっていると、いざスペースが不足した場合に調整できなくなってしまいます。
以上今回は必須科目Ⅰの問4、技術者に必要な要件・留意点の書き方を紹介しました。
そして、今回で必須科目Ⅰの解答文章作成シリーズが終わりになります。
これまでの記事に沿って書いていくと、原稿用紙3枚がすぐに埋まるはずです。
むしろスペースが足りなくなって困るくらいに書けすぎちゃうと思います。
私も試験勉強を始めた頃は原稿用紙3枚なんて多すぎると思っていたのですが、実際書けるようになると4枚目が欲しくなるほどに書き足りなくて仕方ありませんでした。
今後は選択科目ⅡやⅢについても私の書いた解答文章を紹介していきますので、ぜひチェックしてみてください。
コメント