今年私が受験した技術士二次試験のうち、筆記試験の勉強方法を紹介します!
技術士試験の肝は筆記試験で、筆記試験の勉強に苦労している人が多いと思います。
一例として筆記試験に合格した私の勉強スケジュールを参考にしてみてください。
問題文を知る
申し込みが4月にあるわけですが、私は2月か3月初めから筆記試験の情報収集をちょこちょこと始めていました。
そして、4月の申し込みが終わるくらいまでには少なくともどんな試験かなってのがわかる程度にはしていました。
この期間にやったこととしては、「技術士二次試験のキーワード解説!」とか「技術士対策」って書いた参考書を買ってみたり、過去問の問題文を読んでみたりしました。
参考書は分厚くて試験までに読みきれないし、その知識をどう使うのかまず分かっていないと覚えるにも覚えられないなと思って1週間とか早々に読むのを辞めました。
過去問からは学ぶことが多くて、どんな問題が出題されてるか分かるので、じゃあどんな知識をつければ解答することができるのか、自分に足りないことがたくさん分かりました。
解答文章を作る
そうやって4月まで何となく過去問を見ていた後に、実際に解答してみるフェーズに入りました。
これが5月から6月とかまで続きました。
技術士の筆記試験は大きく3つに分かれていて、必須科目1、選択科目2、選択科目3とあります。
で、例えば必須科目1の中では2つ問題文が出題されて、そのうち解きやすい方1つだけ解答すればいいって感じなんです。
必須科目1と選択科目3はたぶん2題のうちどっちも同じような内容なので両方について練習するのがいいんだけど、選択科目2については、すごく問題の内容が違うので、複数題出題されるうちの1つについてだけ練習すればいいと思います。
本番でもそっち側の問題を解くことになるので、もう片方(解かない方)を無駄に練習する必要はない!
という感じで、自分が解答する方の問題について解答文章を作成してみました。
ここでは初見で解いてみて合格かどうかってのじゃなく、ネットとかで問題に関する知識を調べて、これなら合格できるだろうって解答文章を作成しました。
↑この文章を丸暗記して、本番ではこれを書き写すことになります。そのための解答文章を作成しているという理解のもとで作成するといいと思います。
解答文章作成のポイント
解答文章を作成するのと同時に作らないといけないのが骨子です。
骨子とは、簡単に言うと、キーワードを書いたもののことです。
必須科目1を例に説明します。
必須科目1の大問の中には3つ小問があります。
大問に、「水害対策」などというテーマが与えられて、小問題の文章は毎年同じ内容です。
テーマ:水害対策
1)課題を挙げよ
2)解決策を述べよ
3)解決策を実施後の波及効果と対策
こんな感じです。
で、骨子に何を描けばいいかというと、各問に何で解答しようか忘れないためのキーワードを書いていくんです。
1)で老朽化するインフラを課題として書こうとかだったら、「老朽化するインフラ」と書く感じです。
この骨子をそれぞれの問題ごとに何個も作成していきます。
これは技術士対策講座やセミナーなんかでもよく言われる手法なのでおすすめです。
解答文章全部覚えるのが大変な人は、骨子だけ覚えておけば本番でもキーワードだけは漏れなく書けますし、実際技術士試験では文章力は得点に関係ないらしくて、箇条書きでキーワードだけ書いても合格できるらしいですよ(あくまで噂ですが)。
解答文章を必死に覚える
6月後半くらいには八割方の問題に対して解答文章が完成したので、そこから7月の試験日まではただただ必死に暗記するだけでした。
まあ解答文章の量は、自分の目安次第なので全部網羅する必要はないと思います。というか網羅は無理です。
実際私もこういうテーマの問題が出てきたら諦めようって感じでした。
捨てる問題は、過去問で出題回数の低いテーマとか、ちゃんと理由のつくものなら問題ないと思います。
私の場合は解答文章のうち半分くらいしか骨子を作成していませんでした。
私は比較的暗記は自信があるので骨子ではなく文章まるごと暗記しました。
でも理由はそれだけではなくて、丸ごと暗記にはちゃんとしたメリットがあります。
丸ごと暗記するメリット
解答文章を丸ごと暗記すると、骨子だけ覚えるのに比べて3つのメリットがあります。
・致命傷の防止
・高い理解度
・勉強時間の削減
致命傷の防止
もし骨子だけを暗記した場合、試験のときにキーワードは思い出すことができますが、その文章の流れはその場で考えることになります。
解答文章を丸暗記していれば、話の流れもわかっていて書きやすいのですが、骨子だけだとキーワードたちをうまく繋ぎ合わせるような文章の流れを考えなければいけません。
試験時間が限られているため、この「その場で考える」という行為は致命傷になり得ます。
また、キーワードたちが登場する順番を覚えていないと、「あ、さっきの項目にこのキーワードを書いておくんだった!」と、後から気づいて修正するという作業が発生します。
試験は手書きなので、修正などの手戻りも制限時間超過など致命傷になります。
高い理解度
解答文章を丸ごと暗記することで、内容の理解度が高くなります。
キーワードだけ覚えた場合は、試験のための勉強という意味合いが強くなってしまいます。
後から技術士試験を思い出した時に、「予防保全型のインフラメンテナンスって技術士のとき暗記したけど何の話だっけな」とキーワードだけが頭に残っていて、中身のない技術士になってしまいます。
試験においても、理解度が高ければ、多少暗記できていない箇所があっても「こういう話の流れだからこの対策が必要だな」と思い出すきっかけが生まれやすくなります。
勉強時間の削減
中学校や高校の歴史の授業で年号を語呂合わせで覚えた経験、ありますよね?
人間は数字や言葉に意味づけすることで記憶に残りやすくなる性質を持っています。
そのため、キーワードだけを暗記するよりも、そのキーワードの意味やどのような文脈で使うのかまで理解することで記憶の定着度が向上します。
解答文章はほぼほぼキーワードだけで構成されているため、解答文章丸ごと覚えても暗記量が大幅に増加することはない点、文脈が記憶力を向上させる点から、解答文章を丸ごと暗記するのをおすすめします。
また、勉強時間の観点からも、いちいち骨子を作成してから覚えるという手順を踏むよりも短時間で暗記できた気がしています。
次回からは具体的な過去問を対象にして、解答のポイントや勉強法を紹介したいと思います。
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